日輪寺 ~つつじとおびんずるさま~
山鹿市の 桜とつつじの名所 としても知られる「日輪寺」は、 940年(平安時代)に国司藤原隆房が天台宗の寺として開山したお寺で、1316年(鎌倉時代)に菊池氏の手によって曹洞宗の寺として再興された名刹です。
境内には数多くの史跡があり、主な物は、つつじの咲き誇る裏山にある 「古墳時代前期の竜王山古墳」、忠臣蔵で知られる赤穂義士のうち細川藩御預けになった大石内蔵助良雄(くらのすけよしお)を始めとする「十七士の遺髪を納めた遺髪塔」があります。
また、つつじの咲く裏山に大きな顔を覗かせている「おびんずるさま(撫で仏さま) 」は、日輪寺の近くを通るとその頭部が見えるほどの巨大な大仏様で、全身を斜めに反らせて立っている姿が何とも不思議です。この巨大おびんずるさまは体内に入ることができ、体内には撫でれるサイズのおびんずるさまが横たわっておられます。
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「鐘楼堂(鐘楼門)」をくぐって境内へ入ります。日輪寺の梵鐘は山鹿市指定文化財で、室町時代の物です。高さ115cm、直径79cmです。梵鐘はこの鐘楼堂の2階部分(丸い窓の部分)にあります。梯子が立てかけてあるので、2階の梵鐘を見に上りました。
鐘楼堂をくぐり境内に入ると、左手に「観音堂」と並んで「赤穂義士遺髪塔」があります。
他には「菊池武時が再興の記念に手植えしたと言われるラカン槇」や「菊池武時公息女・了心素覚尼のお墓」がこの辺りにあります。
その奥の「日輪寺本堂」に参拝をして左側に目をやると、『なで佛さま参拝入口』と書かれた門があり、その中は心字池のある日本庭園風になっていました。
なで佛さま(おびんずるさま)参拝の入り口は、本堂横のこの場所と、裏山のつつじ公園の中にあります。
本堂から向かって左側に、売店があり、そこから裏山へ上がる道があります。
境内左側の小道をつつじ公園へ上がって行くと、左手に眼鏡橋があります。この眼鏡橋は日輪寺の駐車場に車を停めると、正面に見えます。
この石橋は文化11年(1814年)に造られた「湯町橋」で、熊本県指定重要文化財です。元は豊前街道が吉田川を渡る山鹿口に架けられていたもので、昭和49年に移築されました。 鍋田村(現山鹿市鍋田)の石工により造られ、石は鍋田で採れる阿蘇凝灰岩を使用しており、ザ・地元な石橋なのです。
桜の季節には満開のソメイヨシノに彩られます。
つつじ公園は標高142mの裏山にあり、3月下旬から約200本の桜、4月中旬からは3万5千株のつつじが咲き誇ります。 つつじの品種はクルメ、ヨドガワ、サツキがあります。標高はそれ程ないのですが、眼下に広がるつつじとの山鹿市のコラボな展望はなかなかのものです。つつじの期間中は「日輪寺公園つつじ祭り」も行われ、週末はちょうちんによるライトアップも行われます。つつじ公園の頂上には竪穴式石室を有する円墳の「竜王山古墳」があります。
おびんずるさま
日輪寺の裏山であるつつじ公園の中腹に立つ(立つ?寝る?)巨大仏像の「おびんずるさま」は、タダではそのお姿を拝めません。日輪寺の近くを通るとその頭部が見えるほどの 巨大な大仏様ですが、その身体は周囲のつつじや木々の中に隠れています。おびんずるさま参拝の入り口は、本堂近くの日本庭園からと、つつじ園から入るという2ヶ所で、料金250円(2011年現在)を支払います。
高さ30メートル、幅10メートルもあるびんずるさまは、斜めに仰け反った様に、山の斜面に沿って立っている姿が何とも不自然です。この大きなおびんずるさまの胴体部分に入れる様になっていて、中には小さなサイズのおびんずるさまが横たわっています。
おびんずるさま(びんずる尊者)は別名「撫で仏様」といい、十六羅漢様のなかの一仏です。寺院本堂のわきなどに安置され、無病息災を願い、自分の患部と像のその部分を交互に撫でると病気が治ると云われます。
日輪寺では撫で仏様を世界に類のない半臥(上を向いて寝た姿)の姿で建立し、その胸の中に御本尊様と、その前に分身の撫で仏様を寝姿で安置しています。
では、巨大おびんずるさまの胴体部分から体内に入ります。中は薄暗く、真ん中に小さな金色のおびんずるさまが横たわっておられます。その前には御本尊様が座っておられるのですが、この御本尊様の分身がおびんずるさまなのです。
おびんずるさまは撫で仏様なので、自分の悪い部分とおびんずるさまの相当部分を交互に撫でます。ろうそくと線香(お焼香に使うようなお香)を100円で購入し、説明を受けながら焼香。
日輪寺境内には精進料理を出す予約制の食事処「南無(なぁむ)」もあります。
最終訪問日:2011.04.29.
日輪寺 アクセス
名称 | 日輪寺 |
住所 | 熊本県山鹿市杉1607 |
TEL | 0968-43-5802 |
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