大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)
広島県呉市にある博物館で、「呉市海事歴史科学館」が正式名称ですが、「大和ミュージアム」の愛称が広く定着しています。
その愛称が示す通り、旧日本海軍の超大型軍艦「大和」の建造と軍事活動が展示の主な内容となっており、また戦前・戦後の呉市における船舶製造技術を展示しています。
呉市には、1889(明治22)年に第二海軍区鎮守府(呉鎮守府)が開庁され、1903(明治36)年には呉海軍工廠が誕生しました。(※海軍工廠:艦船、航空機、兵器、弾薬などを開発・製造する海軍直営の軍需工場のこと)東洋一と呼ばれるほどの海軍工廠となった呉では、戦艦「大和」を筆頭に、戦艦「長門」、航空母艦「赤城」など、数々の艦艇が建造されました。
1階フロアの中心には、戦艦「大和」の10分の1の模型が展示されています。大和の模型の上部は3階まで吹き抜けとなっており、1階、2階、3階の様々な角度から戦艦大和を眺められるようになっています。
そして呉鎮守府から呉海軍工廠の歴史、戦艦大和について、太平洋戦争と海軍についてなどの展示が、パネルや資料、模型を使って行われています。
呉軍港空襲や広島市への原爆投下などに関しても展示があり、戦没者の遺品なども展示されています。
大型資料展示室では、零式艦上戦闘機や人間魚雷「回天」、特殊潜行艇「海龍」などが展示されており、全て本物が展示されているのだそう。
屋外には、戦艦「陸奥」の主砲身や潜水調査船「しんかい」などの実物も展示され、芝生広場や大和の大きさを再現した公園も整備されています。
大型資料展示室では、海洋兵器などの実物が展示されています。1階で展示物を間近に眺め、スロープを上りながら、兵器の全体像を上から見下ろせるようになっています。
フロアに入ると、まず九三式魚雷・二式魚雷が並んでいます。九三式魚雷は、酸素魚雷のひとつで、後に人間魚雷「回天」へ改造されることとなります。日本は世界に先駆け酸素魚雷の開発に成功、以降、大戦を通じて唯一の酸素魚雷運用国となりました。
人間魚雷「回天」十型(試作型)も展示されています。こんな狭い物に乗って出撃しようとしていたなんて・・・
「回天」を開発し、自ら乗り込んだ海軍中将たちのパネルと遺品は、「呉の歴史」コーナーに展示されていました。
大和ミュージアムに展示されているのは十型(試作型)ですが、実際に戦闘で使われたのは、一型のみです。
回天一型の模型は、回天の最初の基地となった、山口県周南市の大津島にある「回天記念館」に展示されています。
展示されている零戦は、零式艦上戦闘機六二型で、1978(昭和53)年に琵琶湖から引き揚げられ、復元された機体です。中島飛行機で製造された機体です。
六二型は、太平洋戦争末期に製造された機体で、爆弾投下装置を備えたもので、主に特攻機として使用されました。
また大きくて不気味に真っ黒な機体が横たわっているのが、 特殊潜航艇「海龍」です。敵艦に対して魚雷もしくは体当りにより攻撃を行う二人乗りの有翼特殊潜航艇・水中特攻兵器です。飛行機の様に翼を使って自由に潜航、浮上する事を目指して呉海軍工廠などで研究・開発が行われました。
大和ミュージアム野外展示と大和波止場
「大和ミュージアム」の裏手には、大和ミュージアムの屋外展示「大和波止場」と「芝生広場」があります。 また大和ミュージアムの正面玄関横には、屋外展示の「レンガパーク」があります。
「大和波止場」は、戦艦「大和」の前甲板の左半分を実物大で表現した公園です。戦艦大和の大きさを体感できると思います。かつて大和を造船した造船所や、行きかう船を眺めながら、のんびりと過ごすのも気持ちよさそうです。
最終訪問日:2017.04.08.
大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館) アクセス
名称 | 大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館) |
住所 | 広島県呉市宝町5-20 |
TEL | 0823-25-3017 |
URL | https://yamato-museum.com/ |
近隣スポット
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JR呉駅前の好立地。「大和ミュージアム」,「てつのくじら館」へも徒歩約6分。映画&ドラマのロケ地巡りに最適です。朝食は,14階レストランから呉湾を一望しながらお召し上がりいただけます。
シングル、コンフォートルーム以外のお部屋は、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦等、呉湾の眺望をお楽しみ頂けます。ホテルから呉駅、大和ミュージアム間の無料シャトルバス有り(10:00~19:00要問い合わせ)