高千穂観光物産館 トンネルの駅
宮崎県西臼杵郡高千穂町を走る国道325号沿いに、SLと赤い列車が並んで飾られた「トンネルの駅」という観光物産館があります。
“とっつぁんはえらい” のキャッチフレーズで知られる麦焼酎『ひむかのくろうま』を主力商品とする 「神楽酒造」の施設で、旧国鉄路線として掘られたトンネルを利用した原酒貯蔵庫と、神楽酒造の焼酎をはじめ、高千穂や宮崎県内の土産物を販売する物産館があります。
国道沿いにある赤い列車は旧高千穂鉄道で走っていたサロンカーで、レストランとして再利用されています。
この原酒貯蔵庫として利用されているトンネルは、旧国鉄時代に九州横断鉄道建設の為に掘られたトンネルです。
九州横断鉄道建設の計画は、明治29年に熊本~延岡間に鉄道を敷こうという議論に始まります。大正11年には熊本~延岡間を国定鉄道網として指定、高森線の工事に取りかかりました。そして戦前に熊本~高森間は開通、延岡から延ばしてきた高千穂線も昭和47年に高千穂まで完成しました。後は高千穂から高森までが繋がれば、九州横断鉄道は完成する筈でした。
昭和48年には高千穂新線に着工しましたが、昭和50年に高森側のトンネル工事で大量の地下水が湧き出る事故が発生し、工事が中断してしまいました。その高森側の出水事故を起こしたトンネルは、現在「高森湧水トンネル公園」として観光利用されています。
高千穂側にはすでにトンネル5つ、橋梁17ヶ所が造られていましたが、そのトンネルのひとつ「葛原トンネル」を、2000年(平成11年)に神楽酒造が「トンネルの駅」として開業させました。
トンネルの持つ特性である、1年中温度と湿度が変わらない環境(温度17℃、湿度70%)が 焼酎の貯蔵に適していることから、未開通のトンネルは、「トンネル貯蔵庫」として利用される事になりました。
このトンネル貯蔵庫の内部は、高さ6m、幅4.8m、全長は1115mあり、樽5000本、かめ1000本、一升瓶100万本が貯蔵されています。焼酎は長期間貯蔵することにより熟成し、味と香りは、まろやか芳酵となり、一層ハイグレードの焼酎へと育ちます。
この原酒貯蔵庫は見学自由なので、旅の途中に休憩を兼ねて立ち寄ると良いでしょう。
最終訪問日:2014.11.24.
高千穂観光物産館 トンネルの駅 アクセス
名称 | 高千穂観光物産館 トンネルの駅 |
住所 | 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字下野赤石2221-1 |
TEL | 0982-73-4050 |
URL | http://tonnerunoeki.com/ |
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