筑後川昇開橋
筑後川昇開橋は、筑後川をまたいで福岡県大川市と佐賀県佐賀市諸富町(廃線時:佐賀郡諸富町)を結んでいた、日本国有鉄道(国鉄)佐賀線の鉄道用可動式橋梁「筑後川橋梁」として、昭和10年(1935年)5月に竣工しました。
この昇降式可動橋の全長は約507.2mあり、鉄塔の高さは約30m、中央に大型船航行の為の可動部が長さ約24m設けられています。
橋の一部が可動式となっている可動橋には旋回橋、跳開橋(跳ね橋)などがありますが、 この橋は橋桁の一部が垂直方向に上下する昇開橋です。
国鉄当時は、列車が通るときに可動部が下降(昇降差23m)してレールが繋がり、列車通過後は船舶航行のために上昇する仕組みとなっており、昇降式可動橋として竣工当時は東洋一の規模を誇りました。また現存する可動橋としては国内最古の物となっています。
昭和62年(1987年)の国鉄佐賀線の廃止と共に鉄道橋としての使命を終え、この橋も閉鎖されましたが、橋存続の要望が強く、1996年(平成8年)に遊歩道として復活しました。
現在は橋の両側に公園が整備されており、駐車場・トイレ・両側で異なりますが店舗があります。
平成15年(2003年)には、旧筑後川橋梁として国指定重要文化財に指定され、平成19年(2007年)には機械遺産に認定されました。
現在も決まった時間に昇開しており、橋の両側に【降下時間・通行可能時間・上昇開始時間】の記載された案内がありますが、潮位の関係で必ずしもこの時間に可動する訳ではない様です。
昇開橋の可動部のたもとには事務所があり、そこで橋の昇降を行っています。訪問時は、係りの方に尋ねると、あっさりと橋を動かして下さいました。(可動の詳細は公式サイトをご確認下さい)
福岡県大川市側・筑後若津駅跡
福岡県大川市側の筑後若松駅跡には「筑後川昇開橋展望公園」が整備されています。
その周囲には、2017年4月にオープンした大川市の観光情報施設「大川TERRAZZA(テラッツァ)」や、筑後川の導流堤(どうりゅうてい)を紹介する「デ・レイケ広場」、「大川昇開橋温泉」があります。
「筑後川昇開橋展望公園」には、「幸福の鐘」が下がった休憩所があります。この鐘は、若津港往来の船に取り付けられ、事故防止の警鐘として使用されていた物です。
若津は宝暦元年(1751年)に久留米藩が竣工した港町で、米の積み出し港として発展し、明治初期には福岡県一の輸出入額を上げていました。
現在「大川TERRAZZA(テラッツァ)」が営業しているスペースには「えつ伝承碑」が立っています。 「えつ」は日本では筑後川と有明海にだけ生息する珍魚で、 5月1日から7月20日までエツ漁が解禁され、 筑後川にはエツ料理を楽しめる屋形船が浮かびます。
佐賀市諸富町側・橋の駅ドロンパ
佐賀県佐賀市諸富町側には、佐賀市観光情報発信館「橋の駅ドロンパ」が整備されています。地元有明の海の幸や地元農産物などを販売する直売所をはじめ、木製品や陶器などの展示販売コーナーがあります。
橋の駅ドロンパは2014年に営業を開始しましたが、この辺りはもともと「諸富展望公園」として筑後川昇開橋を展望するための公園である様です。
佐賀にゆかりのある徐福像が立っており、周りには国鉄佐賀線の信号機やポイントがあります。
徐福は、不老不死の薬を探すために佐賀の金立山に登ったと言われています。
筑後川昇開橋 動画
最終訪問日:2017.08.18.
筑後川昇開橋 アクセス
名称 | 筑後川昇開橋 |
住所 | 福岡県大川町~佐賀県佐賀市諸富町 |
TEL | 0944-87-9919(筑後川昇開橋観光財団) |
URL | https://www.shoukaikyou.com/ |
名称 | 筑後川昇開橋 |
住所 | 佐賀県佐賀市諸富町大字為重214-4 |
TEL | 0952-47-5209 |
URL | https://www.shoukaikyou.com/ |
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