回天訓練基地跡
山口県周南市の「大津島」は、太平洋戦争末期に日本海軍の特攻兵器である人間魚雷「回天」の最初の訓練基地が設置され、若い兵士たちが厳しい訓練に励み、祖国を守るために出撃して行ったところです。
大津島の南部・馬島には今でも、回天の訓練をしていた基地の跡が生々しく残っています。
回天の訓練基地は全国に4ヶ所設けられましたが、当時の施設が残っているのはここだけとなっています。
このトンネルは、整備された回天をトロッコで発射場まで運んだり、搭乗員もこのトンネルを抜けて回天に乗り込んだ、当時のままのトンネルです。
長さはおよそ250m、高さはおよそ4mあり、路面以外は当時のままの状態で残っています。トンネル中ほどからは、回天を運んだトロッコのレール跡が今でも残っています。
現在は回天に関するパネル展示が行われ、また音声ガイダンスによる案内も設置されています。薄暗いトンネルの奥から音声がするので、ビックリしてしまいます。
この回天訓練基地跡は、元々は九三酸素魚雷の発射試験場として造られたもので、呉市の海軍工廠水雷部において製作された魚雷を海上運搬してここから発射し、その性能を鬣山(たてがみやま)山頂付近の魚雷見張所において確認するものでした。
昭和19(1944)年9月から回天の訓練基地として利用されました。
魚雷発射口とは逆の位置に設置してあったクレーンで「回天」を吊り上げ、その横の海面に降ろし、基地の沖合いに設置されていたブイまで、横抱艇により曳航し、その場所から熟練度により3コースを使って訓練が行われていました。
そのクレーンの跡も生々しく残っています。
最終訪問日:2017.05.08.
回天訓練基地跡 アクセス
名称 | 回天訓練基地跡 |
住所 | 山口県周南市大津島 |
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