坂本国際墓地
坂本国際墓地 は、長崎市にある3ヶ所の大きな国際墓地のうちのひとつで、長崎では一番新しい国際墓地です。明治21年(1888年)に電車通りから見て右側の区画が開かれ、明治36年(1903年)に道路を挟んで左側が拡張されました。
ここに眠る人々は、長崎に暮らした外国人やその家族が主で、様々な国の方々が埋葬されています。
ここに眠る著名人として、幕末から明治期における我が国の急速な近代化に大きく貢献したトーマス・グラバーや、医学博士であり長崎の原爆で被爆しながらも、恒久平和を訴え、病床でも執筆活動を続けた永井隆博士のお墓があります。
電車通りから見て右側の区画には、まず墓地に入るとすぐに、長崎市名誉市民第一号である永井隆博士のお墓があります。
永井隆博士(1908-1951)は、長崎医科大学を卒業後、放射線医学の道に進み、同大学の教授や医学博士となります。
昭和20年(1945年)8月9日の原爆により、長崎医科大学付属医院内で被爆しますが、被災者の救護活動などを行いました。
大学での放射線の研究によって被曝しており、白血病を発祥していたところに、重ねて原子爆弾での被爆で重傷を負い、原爆被爆の翌年には寝たきりとなります。病床でも執筆活動を行い、「長崎の鐘」や「この子を残して」などの著書を書き上げました。
お墓が緑のタイルで飾られているのは、妻・緑さんの名前にちなんででしょうか。緑さんは原爆により自宅で亡くなりりました。
故郷・島根県三刀屋町より贈られた、緑の桜「御衣黄」も植えられています。御衣黄は、「永井隆記念館」前にも植えられています。
緑のタイルで囲まれ、十字架の意匠のある墓碑には、パウロ永井隆(1908-1951)、マリナ永井緑(1908-1945)と刻まれています。
永井隆博士は島根県松江市の医師の家に生まれました。長崎医科大学に入学すると、浦上天主堂近くのカトリックの森山家に下宿します。そこの一人娘が、後に妻となる緑(洗礼名:マリナ)でした。永井隆氏も満州事変への出征から帰還後の昭和8年(1933年)、カトリックに改宗し、洗礼名:パウロを授かります。その翌年に妻・緑さんと結婚しました。
長崎医科大学の教授として勤めていた永井隆博士は、昭和20年(1945年)8月9日に爆心地から約700mの大学内で被爆します。義母と2人の子供は疎開しており無事でしたが、妻・緑さんは自宅の台所で亡くなりました。
✞ 左側区画(新坂本国際墓地) ✞
電車通りから向かって左側の区域は、明治36年(1903年)に拡張された区画です。区画の一番奥の高い位置に、トーマス・グラバーとその家族が眠っています。「グラバー家墓地」として市指定史跡になっており、説明プレートが設置されています。
グラバー家墓地に埋葬されているのは、右側の墓碑に、トーマス・グラバーとその妻ツルの分骨、左側の墓碑「倉場家之墓」にトーマス・グラバーの長男の倉場富三郎とその妻ワカが埋葬されています。
トーマス・グラバー(1838-1911)は、スコットランド出身の商人で、安政6年(1859年)に長崎に渡来し、文久元年(1861年)にグラバー商会を設立しました。坂本龍馬や西郷隆盛ら幕末の志士たちに艦船や武器を販売するなどし、明治維新に関わることとなりました。また、造船、炭鉱、製茶事業などを行い、日本の近代化に貢献した人物です。明治維新に功績があったとして、外国人としては異例の勳二等旭日重光章を受章しています。
明治30年(1897年)以後は東京に移り、晩年は東京で過ごしました。
向かって右側が、トーマス・ブレーク・グラバーの墓。墓石の上部に「THOMAS GLAKE GLOVER.」、下部に「THURU GLOVER.」と刻まれています。トーマス・グラバーは東京で亡くなり、荼毘に付された後、長崎のグラバー邸で葬儀が行われ、ここ坂本国際墓地に眠っています。
妻ツル(?-1899)(内縁の妻で戸籍には入っていない)は、先立って大浦太平寺に葬られましたが、ここに分骨され合葬されています。
グラバーの長男、倉場富三郎(1871-1945)は、トーマス・グラバーと日本人女性・加賀マキとの間の子供と言われています。その後、トーマス・グラバーは日本女性・淡路屋ツルと結婚し、富三郎はツルに育てられたとされてます。
富三郎は長崎や東京で過ごし、数年間のアメリカ留学を経て、長崎へ戻り、日本国籍を取得しました。名字の「倉場」は、グラバーをもじったものです。
富三郎は、リンガー商会に入社し、その後水産事業を起こし、日本で初めてのトロール漁の事業を行うなど、長崎で実業家として活躍しました。
しかし晩年、昭和期に入ると戦争色が濃くなり、英米と関りが深かったことからスパイ疑惑をかけられます。長崎に原爆が投下され、終戦した約2週間後の、8月26日に、南山手の自宅で自死しました。
最終訪問日:2024.11.17.
坂本国際墓地 アクセス
名称 | 坂本国際墓地 |
住所 | 長崎県長崎市坂本1丁目2 |
TEL | |
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