宮崎市本郷地区掩体壕
宮崎空港(宮崎ブーゲンビリア空港)周辺は、太平洋戦争中は大日本帝国海軍の航空基地でした。1943年に旧日本海軍赤江飛行場として建設されたのが始まりで、12月に練習航空隊として開隊、翌年からは前線基地として使用されました。
戦争末期になり、陸海軍が特別攻撃を開始すると、九州各地から相次いで特別攻撃隊の出撃が行われました。
ここ赤江基地からも特別攻撃隊の出撃が行われ、宮崎空港の一角には「宮崎特攻基地記念碑」が建てられています。
そんな宮崎空港の周辺には、当時の痕跡として幾つかの戦争遺跡が点在しています。
その中でも大型の遺構として、7基の掩体壕と、4基の弾薬庫 があります。
『掩体壕』とは、戦闘機や爆撃機を守るための格納庫です。旧赤江飛行場の掩体壕は、1944年(昭和19年)に建設され、当時は多数の掩体壕が造られました。
現存する7基は2ヶ所に分かれており、本郷地区には4基、宮崎空港滑走路の近くに3基 があります。
本郷地区の4基の掩体壕は、中型の機体を収納する中型掩体壕です。恐らく、中型爆撃機「銀河」や「飛龍」などを格納していたと思われています。
現在は住宅地の中に点在しており、全て民間所有になっている様でした。
宮崎県の資料を基に、識別のため、国道220号に近い壕から、1号基と番号を付けています。。
宮崎市本郷地区掩体壕 【1号基】
宮崎南バイパスと呼ばれる国道220号に最も近い場所に位置する1号基です。丁度、宮崎南バイパスにあるガソリンスタンドの裏手に当たります。
掩体壕を探してウロウロしていると、不動産会社の敷地内に、蔦に覆われた掩体壕が見えました。Google Map で確認すると、建設会社の倉庫として使われているみたいです。
個人所有の土地ですので、中に入ることは諦め、遠景のみの撮影です。
掩体壕の右手には傾斜した細い道路があり、端の方は道路に埋められている様でした。
宮崎市本郷地区掩体壕 【2号基】
本郷地区の掩体壕「2号基」と「3号基」は隣接していて、圧倒的な存在感を放っています。介護老人保健施設の手前に建っているので、分かり易いのではないでしょうか。
この2号基は民家所有の様ですが、写真で見ると分かる様に、細い生活道路に面していますので、掩体壕の正面は至近距離で見ることが出来ます。 後ろは私有地内ですので見れません。
この掩体壕は、まだ物資がそこまで困窮する前に造られたのでしょうか?? 鉄も沢山使われていますし、コンクリートの表面がとても綺麗だと思いました。

宮崎市本郷地区掩体壕 【3号基】
掩体壕「2号基」と「3号基」は隣接しており、2号機の正面から続く道を歩いて行くと、3号機の右横から背面を見ることができます。
また3号機の正面には畦道がありますので、正面からも間近で見ることが出来ます。柵がありますので、中には入れません。
本郷地区掩体壕の中で、全体を見ることが出来るのはこの3号基のみです。
宮崎市本郷地区掩体壕 【4号基】
4号基は、民間の倉庫として使用されていました。掩体壕の上部は削り取られています。私有地の中ですので、遠景からしか見ることが出来ませんでした。
最終訪問日:2018.09.18.
宮崎市本郷地区掩体壕 アクセス
| 名称 | 宮崎市本郷地区掩体壕 |
| 住所 | 宮崎県宮崎市本郷北方4423-12付近(1号基) 宮崎県宮崎市本郷南方5468-82付近(3号基) 宮崎県宮崎市本郷南方5468-80付近(⒋号基) |
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