大板山たたら製鉄遺跡
「大板山(おおいたやま)たたら製鉄遺跡」は、江戸時代の中期から後期にかけての製鉄遺跡です。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼、造船、石炭産業~」の構成資産のひとつとなっています。
萩市街地から北東へ約24km、山道を走り、山の口ダムの北側にあります。駐車場とトイレ、インフォメーションセンターである「大板山たたら館」があり、館内でまず5分程度のビデオを視聴し、大板山たたら製鉄遺跡について予備知識を頭に入れてから、隣に広がる遺跡を見学します。
この遺跡は、日本古来の技術により砂鉄から鉄をつくっていた、江戸時代の製鉄所跡です。中断しながらも宝暦年間(1751-64)・文化年間(1803-18)・安政年間(1854-60)の三期に操業しており、安政年間の建物跡が整備されています。
「山内(さんない)」と呼ばれる製鉄所の中には製鉄炉(高殿)・事務所(元小屋)・鉄の塊の加工場(鍛冶屋)・職人住宅(下小屋)などの諸施設がならび、全体が柵で囲まれていました。
現在では、山ノ口ダムの建設により南半分が水没しており、高殿や元小屋のある北半分のみ保存されています。
「たたら製鉄」とは、日本で古代から近世にかけて発達した製鉄法で、炉に空気を送り込むのに使われる鞴が「たたら」と呼ばれていたために付けられた名称です。木炭を燃料として砂鉄を製錬する原始的なものでした。
ここ「大板山」では、1750年代~1860年代の間に3回の操業が行われました。
第1回操業は、宝暦年間のうちの8年間で、1751年~1764年。
第2回操業は、文化文政年間の10年間で、1812年~1822年。
第3回操業は、幕末期の12年以上、1855年~1867年。

特に、第3回操業の幕末期には、萩藩が1856年(安政3年)に恵美須ヶ鼻造船所で萩藩最初の様式軍艦「丙辰丸(へいしんまる)」を建造するために、船釘や碇の原料鉄を供給しました。
そして1863年(文久3年)からは産鉄全てが萩藩に買い上げられました。
まずは高低差で高い方から見下ろします。ここから見える最も大きな遺跡が、「元小屋(もとごや)」で、全体を見渡せる場所に造られた仕事・生活の事務を行っていたところです。元小屋の両端に「小鍛冶」という道具を作ったり修理したりする場所と、食料を入れた「倉庫」がありました。
遺跡内に幾つか設置された透明なアクリル板は、当時の建物の絵が描かれており、このアクリル越しに遺跡を重ねて見ると、当時の建物の様子が分かるようになっています。
遺跡の一番奥の方には、実際に製鉄作業を行っていた製鉄炉や鞴(ふいご)が置かれた「高殿」がありました。高殿の手前には、「砂鉄洗い場」や「鉄池(かないけ)」、「給水施設」などがありました。
「砂鉄洗い場」は、砂鉄が水に沈むことを利用し、不純物を取り除いたところ。「給水施設」は、鉄池などで使う水を溜めるところ。「鉄池」は、高殿で作られた熱い鉄の塊を運び入れ、水で冷やしたところです。
遺跡の一番奥にいる広いスペースは、「高殿」と言われ、山内の中心施設で、ここで鉄が作られていました。中央に「製鉄炉」とその両脇に「天秤鞴(ふいご)」があり、左手に「砂鉄焙焼炉」がありました。
製鉄炉では、砂鉄と木炭を燃焼させ、砂鉄を鉄に変化させます。地下には水分を取り除いたり、熱を蓄える工夫がされていました。
製鉄には強い炎が必要なため、「炉」に「鞴」で風を送り、強い炎を作ります。鞴は足踏み式で、番子と呼ばれる職人が踏んでいました。
「金屋子神祠(かなやごしんし)」という矢印があり、遺跡から少し石段を上ります。「金屋子神(かなやごしん)」は、女性の神様で、桂の木に降り立ち、鉄づくりを教えたと伝えられています。「山内(さんない)」には、鉄づくりがうまくいくように、必ず金屋子神が祀られています。
この金屋子神祠は、山の口ダムの建設により、現在の位置に新規に建立されたものです。
最終訪問日:2024.06.12.
大板山たたら製鉄遺跡 アクセス
名称 | 大板山たたら製鉄遺跡 |
住所 | 山口県萩市紫福大板257-1 |
TEL | 0838-25-3380 |
URL | http://www.ohitayama-tatara.net/ |
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■ 世界遺産 明治日本の産業革命遺産 構成資産一覧
エリア2
鹿児島
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2-2
2-3
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橋野鉄鉱山
エリア6
長崎
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