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濃霞山の戦争遺跡/濃霞山公園

濃霞山(のうかやま)の戦争遺跡/濃霞山公園

先の大戦中、佐伯市には佐伯海軍航空隊、佐伯防備隊の基地がありました。現在その場所は、濃霞山(のうかやま)、長島山、興人ライフサイエンス㈱佐伯工場などとなり、幾つかの戦争遺跡が点在しています。

濃霞山のうかやま は佐伯湾に面した標高62.7mの低山で、現在は「濃霞山公園」として整備されています。かつて佐伯湾を守るための要塞として築かれた戦争遺跡が点在し、山頂には慰霊碑や記念塔、案内板が設置され、往時の様子を今に伝えてくれます。また、佐伯港や佐伯重工業の造船ドッグが一望できる展望スポットとなっています。

濃霞山公園駐車場と、西登り口

濃霞山公園には、東西南北に4ヶ所の上り口(登山口)が設けられています。展望台は、北、東、南の3ヶ所にあり、造船ドックが良く見えるのは東展望台です。佐伯では、船の完成を祝う式典である進水式が行われますが、そのビュースポットでもあります。

今回は、駐車場のある西登り口(西登山口)から濃霞山に登ることにします。戦争遺跡が多く集まっているのがこのエリアだからです。
濃霞山に登る前に、駐車場周辺にある壕跡を探索しました。現地の案内板によると、このエリアだけで、11個の壕口があるようです。

壕の入口に部署名が掲げられた物も幾つか見られました。「砲術科」の壕には銃を模したマークも見られます。
西登り口付近には、「掃海部」「測図部防空壕」と掲げられた壕があります。

濃霞山公園案内
壕口はどれも立入禁止である
駐車場付近の壕の跡
砲術科と読める。マークもある
掃海部と読める
測図部防空壕と刻まれている

西登り口(西登山口)から上ります。登り口付近は椿で彩られ、猫さんが出迎えてくれました。上り始めてすぐに見えるのが、「防備隊防空指揮所跡」です。案内板に載っている写真ではコンクリートで造られた大型トーチカのような施設が写っていますが、現在は倒壊してコンクリートの瓦礫のようになっていました。

更に上ると、「防備隊受信所跡」があります。こちらは登山道から外れた藪の中にあるので、近づくことはできません。遠目からですが、壕口と、壕の中にコンクリートの何かがあるのが見えます。

上り詰めると「北展望台」です。多少木々に遮られていますが、造船ドックも見えます。

濃霞山西登り口
防備隊防空指揮所跡
防備隊受信所跡
北展望台
佐伯重工業のドックが見える
北展望台 眺望案内
よく見かける野鳥、ハクセキレイ

北展望台から、北登り口の方へ下って行きます。
北登り口(北登山口)周辺には、「防備隊受信所」と「防備隊地下壕」が残されています。

北登り口へ下りた後は、東登り口付近にある「弾薬庫(火薬庫)」へ向かいます。

防備隊受信所
防備隊地下壕
弾薬庫(火薬庫)付近にある

旧佐伯海軍防備隊の弾薬庫(火薬庫)

濃霞山東登り口付近、佐伯港湾合同庁舎の向かい側に「旧佐伯海軍防備隊の弾薬庫(火薬庫)」があります。この建物は、戦後民間企業の手に渡り、その後取り壊しになる手はずだったところを、民間の歴史研究機関「歴進会」の保存運動によってそのままの状態で保存されたものです。不定期に一般公開されています。

佐伯海軍防備隊は、昭和15年(1940年)に開隊し、主に豊後水道の対潜水艦の探知任務に当たっていました。この建物は、鉄筋コンクリートとレンガを組み合わせた建物で、庫内は木造という特徴があります。

旧佐伯海軍防備隊の弾薬庫(火薬庫)
建物の両側には爆風除けの塀が設けられている

建物の両側には高さ3mを超える爆風除けの塀があります。恐らく道路整備の際に、道路に掛かる部分は削られていると思われます。
正面に描かれている「◯」は、旧海軍に於いて、空襲などから最優先で守るべき建物に描かれた印です。宇佐の落下傘整備所などにも描かれています。

建物の前に展示されている白い機械は、25馬力の焼玉エンジン揚錨機です。この焼玉エンジンは、昭和18年頃に大型艦船の錨を揚げる動力として製造されたものです。昭和20年7月24日に四国の佐多岬沖で機雷に接触し、別府湾に擱座した「空母海鷹」の揚錨機と思われます。

「空母海鷹」の揚錨機
中央の「◯」マークは、空襲時に最優先で守る施設の印

展示されているダットサントラックは、平成30年に蒲江高山で発見され、修復されたもの。戦後間もない昭和24年(1949年)9月に製造され、佐伯海軍航空隊・佐伯海軍防備隊で使われていた車両と同じ型です。
ナンバーに「サへ」と書いてあるのは、佐伯海軍航空隊の読みが「さえき」だからです。現在は佐伯を「さいき」と読みますが、元々は「さえき」と読んでいたそうです。
「さえき」の読みは古来より使われ、歴史的仮名遣いでは「さへき」と書いていました。そのため、機体識別記号は「サヘ-機体番号」としていました。

当時を語る貴重な建物である
修復されて展示されているダットサントラック

旧佐伯海軍防備隊「火薬庫」
この建物は、昭和15年に開隊した佐伯海軍防備隊の火薬庫として建設され、民間に当時の姿で残る希少な戦争遺跡です。
終戦後の昭和27年頃、財務局により建物のみ民間の会社に売却され、以来倉庫として使用してきましたが、数年前所有会社の廃業により、その処遇を県や市の教育委員会等で保存に向け検討されましたが、自治体としては如何ともし難い、との結論に至り、以降建物所有者及び財務局の意向により、建物を取り壊し、土地と共に他の会社に転売される予定となっていました。
民間の歴史研究機関「歴進会」では、平成3年の創立以前より、この「火薬庫」を後世に残すべき重要な戦争遺跡と位置付け、保存運動に取り組んできたところですが、平成28年2月に至り、「火薬庫」解体後売却の情報に接し、急遽「歴進会」で保存運動実行委員会を立ち上げ、一般市民の方々や民間企業の方々より浄財を募り、やっとの思いで、この「火薬庫」は現状の手つかずの状況でここに残りました。
尚、正面に描かれている◯のマークは、旧海軍に於いて建物の最重要施設として空襲等から守るべき施設の位置づけとのことです。
協力頂いた皆様に感謝・御礼を申し上げると共に、重要戦争遺跡として、今後も末長く存在することを祈ります。
「歴進会」

南登り口付近の壕

濃霞山公園の南側登山口付近に5つの壕口が残る
左から1つ目、2つ目の壕口

濃霞山の南登り口(南登山口)付近に、5つの壕口が残されています。壕の前は佐伯重工業の駐車場になっています。

左から2つ目の壕口
左から2つ目の壕の中
左右から3つ目、真ん中の壕口
右から2つ目の壕口
一番右側の壕口。佐伯重工業の敷地内となる

最終訪問日:2025.04.13.

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濃霞山 アクセス

 名称 濃霞山公園
 住所 大分県佐伯市鶴谷町2丁目
 (駐車場は濃霞グラウンド前)
 TEL 
 URL   
 名称 旧佐伯海軍防備隊の火薬庫
 住所 大分県佐伯市鶴谷町2丁目5-24
 (佐伯合同港湾庁舎(海上保安庁)前)
 TEL 
 URL   

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